今回はクリニックの防犯設備、警備会社についての内容です。
当院は開院してからすぐにALSOKに依頼して警備を行っていましたが、先年、解約をしました。
今回は、どのような経緯で警備システムを使っていたのか、そのときの考え方、そして今後の対策について、実務的な面でご紹介できればと思います。

開業時の考え方について

開業したばかりの頃というのは、多くのクリニックが警備システムを入れている印象があり、当院も「何か入れなければいけない」と考えて導入することにしました。

最大手であるSECOM、ALSOKの2社に見積もりを取り、いろいろと交渉しました。
両者とも最初はかなり高額でしたが、ALSOKであれば月額1万円ちょっとで導入できるということで、お願いする運びになりました。

実際の運用について

参考までに当院での実際のところですが、規模は小さいため、玄関と裏口にセンサーを設置し、出入り口には入口付近にカメラを設置してもらっていました。
夜間も管理され、不在時はキーロックで管理するという、一般的な形式だったと思います。

費用は、税込11,000円でスタートし、初期費用は3万円ほどでした。
そのため、比較的リーズナブルに導入できたのではないかと考えています。

不在時に警備が作動するような事態はほとんどなく、一度だけ誤作動と思われるケースがありました。
おそらくネズミなどの小動物が原因だったのではないかと思いますが、幸い大きな問題なく過ごすことができました。

また、緊急時にボタンを押して対応してもらうケースについても、本当に困るような事態はありませんでした。
予約のない来院で対応に迷うケースがあり、その際に警備に来てもらったことはありましたが、いずれもトラブルに発展することはなく、結果的には大事にはなりませんでした。

ちなみに、この警備対応は回数に関わらず月額料金に含まれており、追加料金がかかることはありませんでした。

コスト上昇と見直しの背景

警備システムに限らず、昨今はいろいろなものがどんどん値上げされています。

約1年ほど前にALSOKから全国一律の値上げ通知があり、月額2,000円の値上げが行われました。
これにより、当院では月額が税込で約13,200円となりました。

全国一律の値上げとのことで、やむを得ない面もあるとは思いますが、小規模クリニックにとっては、この増額はそれなりに重たく感じられる金額でした。
このあたりから、警備システムについても見直しを考えるようになりました。

近年は何でも値上げ傾向で、売上もなかなか伸び悩んでおり、何かしらコストカットをしなければ経営的に生き残るのが難しい状況になってきています。

当院でも昨年から継続的にコストカットに取り組んできましたが、警備システムは根幹に関わる部分ということもあり、しばらくは手を付けずにいました。
しかし、いよいよここにも着手せざるを得ない状況になりました。

解約について

コストカットを進める中で、警備システムは最後まで残っていた項目でした。
やはり、警備システムをやめることへの心理的な抵抗は非常に大きかったです。

しかし、最低賃金の上昇や人件費の増加もあり、最終的には解約を決断しました。
かなり苦渋の決断でした。

契約期間内での解約だったため、違約金と撤去工事費用が発生しました。
合計で十数万円程度で、想像していたほど高額ではなく、妥当な金額だったという印象です。

その後の対策について

警備システムを止めると、警備会社による駆けつけ対応はなくなります。
そのため、それをどう補うかという課題が残り、かなり検討しました。

いろいろ調べた結果、家庭用の警備システムや防犯機器が非常に充実してきており、カメラなども価格が下がっていて、手軽かつ簡単に導入できるようになっていることが分かりました。
そこで、このあたりのIT機器を活用する方針にしました。

IT機器は進化すればするほどコストが下がってくるという、今の世の中ではむしろ逆行するような現象が起きており、その点については非常にありがたいと感じています。

現在導入している機器について

当院では現在、
Google Nest Cam + Tapo + セサミ
の構成で防犯対策を行っています。以下、それぞれについて簡単にご紹介します。

Google Nest Cam

WEBカメラについては、Google Nest Camを使用しています。
これはALSOK導入当初から使っており、ALSOKのカメラがやや見づらかったこともあって、継続して使用しています。

玄関や患者さんの動線、診察室などに設置し、人の出入りが把握できるようにしています。

Tapo

今回新たに導入したのが「Tapo」というシステムです。
もともと今回の経緯で知ったのですが、ルーターなどで有名なメーカーの製品です。

ドアセンサーや人感センサーを組み合わせ、反応があった場合に警報音が鳴り、スマートフォンに通知が届くように設定しています。

また、細かい設定が可能で、診療時間中もドアが開いた際にApple Watchが振動するようにしています。
これまで来院に気づかないことが意外とありましたが、その点は完全に解消されました。

結果として、警備会社のシステムよりも、自分で導入した方がきめ細かく調整でき、むしろ便利になったと感じる面もあります。

セサミ

ドアロックについては、セサミという自動ロックシステムを導入しました。
以前はこのような製品は数万円しましたが、現在は5,000円程度で導入でき、全体としても1万円ちょっとで構成できます。

院外から鍵の状態を確認でき、自動ロック機能もあるため、鍵の締め忘れの心配はなくなりました。

また、Apple WatchやiPhoneのSuicaを使って解錠することもでき、物理的に鍵を取り出す手間がなくなったのは、地味ですが大きなメリットです。

※やや蛇足な情報ですけれども、こちらはAmazonで買うよりも公式サイトで買った方が安く買うことが可能です。

意外なメリットもあり

警備システムをやめたことで、不安な面や自分で管理しなければならない点はありますが、意外なメリットもありました。

その一つが、診療後にロボット掃除機をセットして帰れるようになったことです。
警備システムをかけていると、人感センサーに反応して通報されてしまうため、これまでは導入を見送っていました。

現在は診療後の掃除の手間が減り、これは想像以上に楽になりました。

おわりに

今回は、ALSOKという警備会社を解約し、その後どのような対策を取っているかについて、当院の実体験をもとにご紹介しました。
開業医の先生方が防犯設備を見直す際の、一つの参考になればと思います。