当院では長らく使用してきた、”自動精算機”の運用を終了し、”自動釣銭機”に移行しました。実際に運用を開始したので、今回はこちらについてご紹介してみようと思います。

自動精算機→自動釣り銭機への移行

漢字で書くと見づらいので、以降では”自動釣り銭機”と記載しようと思います。自動精算機→自動釣り銭機への変遷は、こちらにの記事のとおりです。(参考記事→自動精算機 やめました)ざっくりとまとめると、使用頻度が減り、コストが重く感じるようになってきたため、コストを抑えるために、変更をしました。

当院の自動釣り銭機

当院の自動釣り銭機は、藤田電機製作所様が提供する、ライブレジという機種です。医療機関向けに特化した商品ではなく、他の業種でも広く使われているものになります。医療機関向けのパッケージもありますが、他の業種より大幅に値上げというようなことはなく、親切な商品です。

連携はバーコード連携

こちらのライブレジは、レセコンとも連携可能で、診療費をバーコードに記載して、そちらをレジで読み込む仕様になります。いわゆるバーコード連携です。M3 DigiKarの場合は、機器連携をすでに申し込んでいる場合は、連携について特にお金はかかりませんでした。エムスリーに申し込むと、領収書にバーコードが印刷されるようにしてくれます。それを印刷してレジで読み込み、患者さんにお支払いいただく仕組みです。

キャッシュレスは医師協経由で申し込み

こちらのライブレジに連携するキャッシュレス端末は、いくつかの機種から選べますが、私は東京医師歯科医師協同組合経由で申し込んだキャッシュレス端末を使用しています。Panasonic製のJT-VT10/ JT-VC10という機種です。端末台は医師協経由ではかかりません。連携のために初期費用は必要で、ライブレジ側、医師協側に発生しますが、合計で6-7万円ほどです。ランニングコストはフリーです。

キャッシュレス手数料も他の会社よりは抑えられています。特にJCB、AMEX、Dinersは高くなりがちですが、私が知る限りは最安です。振込手数料もかからず、隠れコストもありません。

また地味にありがたいのが、ライブレジと連携した場合でも、キャッシュレス端末は単独で使用可能なことです。万が一連携になにか問題が生じても、キャッシュレス端末は自立しているので使用可能です。

有線LANでの仕様を推奨していますが、無線LANでも問題なく使用可能できています。

ライブレジのメリット、デメリット

ここでは私が実際に導入、運用してみて、感じたメリットを記載してみようと思います。

メリット① 初期費用、月額費用が共に抑えられる。

ライブレジの大きなメリットの一つはコストが抑えられる点です。初期費用は、IT導入補助金を使用し審査に通れば、100万円ほどで導入可能でした。しかもIT導入補助金の申請は他社では何十万円単位で手数料が請求される場合もある中、ライブレジの場合は特にコストはかかりませんでした。(IT導入補助金は開業後、少し時間が経っていないと書類を揃えることができないので、開業と同時に使うことは難しいと思います。)補助金がない場合でも、イニシャルコストは他社に比べて抑えられると思います。

ランニングコストは、保守に入るか、入らないかで変わってきます。保守に入らなければ、ランニングコストは1円もかかりません(キャッシュレス機種によってはかかることもあるそうです)。

保守はライブレジのソフトウェアに関するものと、自動釣り銭機の本体に関わるものに分かれます。ソフトウェアについては保守契約を更新しなくても、また必要になった際に契約することも可能なようです。自動釣り銭機はグローリーですが、グローリーは丈夫で故障リスクは低く、一方で保守契約は高額なので、あまり入る人はいないようです。

自動精算機、自動釣り銭機ともに、医療機関で使用可能なもので、レセコン連携が可能かつ、ランニングコストがかからないものは、かなり珍しいです。私はこちらのライブレジしか知りません。かなり貴重な存在であると思います。

メリット② オフラインで使用可能

ライブレジ本体は完全にスタンドアロンで使用可能で、ネット環境は不要です。キャッシュレス端末はネット環境が必要ですが、自動釣り銭機本体はオフラインでも動くので非常に心強いです。回線トラブルや、アップデート毎に気にする必要はなくなります。オフラインで動くシステムなので、機械が壊れるまで使用可能です。またもしパソコンを買い替えたい等の場合は、保守契約を結んでいれば入れ替えのサポートもしてくれるようです。

ライブレジのデメリット

率直に申し上げて、かなり満足していますが、自動精算機との比較もしてのデメリット等も一応挙げておきます。

デメリット① 2重登録のリスク

バーコード連携の場合、単純に金額の情報しか入っていないので、2重に読み込むと、患者さんへの請求が2倍になってしまうリスクがあります。患者情報もオンライン連携で確認しているシステムでは、二重登録はできない仕様になっていますが、こちらではそれはないため、気をつける必要があります。

デメリット② ややもっさり動く

パソコンの動きが、普段使っているiPhone等と比べると、ややもっさり動く気がしますがこれは、自動精算機でもみられる症状でした。特段大きなデメリットとは思いません。

デメリット③ 自動精算機よりも入力が多い

これは自動精算機と仕様が違うので、デメリットと言うのは違うかもしれませんが、今までと比べると若干、こちらでボタンを押す回数が増えました。しかし自動釣り銭機としては通常の仕様だと思います。

現金、キャッシュレスの選択は今後に期待

現状は、現金やキャッシュレスの種類は、患者さんにお伺いして、こちらで選択する仕様になっています。しかし今後はもしかしたら、患者さんの画面で、患者さんに選択してもらえるようになるかもしれないとのことでした。こちらは今後のアップデートに期待しています。

設置は台を購入した

こちらを設置する場所についてですが、開業と同時に導入する場合は内装業者に頼んでぴったりフィットするようにできますが、当院のように、後からいれる場合はどうするかという問題があります。

私はこちらについてはビジコム社が販売する台を導入しました。(参考→国産スチール セミセルフ レジカウンター 550幅 BCT-5560SS)ビジコムも自動釣銭機で有名な会社ですが、台だけでも売ってもらえました。

しかしこちらをライブレジで使用する場合は、注意点があります。上記ページにあるように、本来は、棚の中に釣銭機を組み込む仕様ですが、釣銭機のカバーを使用する場合、商品ページの写真のように使用することができません。棚の高さが釣銭機の大きさピッタリになっているので、カバーをつけると入らないのです。そのため私は台の上に、釣銭機をパソコンも乗せて使用しています。

こちらは買ってから、蓋をすると入らないことに気付きました。結構高い買い物なので焦りましたが、まあなんとかなっています。

ライブレジをどこで見つけたか?

このライブレジの情報にたどり着いたのは、以前もご紹介した、開業医開業準備医師オンラインサロンで、とある先生が書き込んでいたためです。こちらの情報源がなければ、今でも自動精算機を使用していたと思います。本当に頼りになる情報源で感謝しています。

余談

医療機関向けの会社さんは、営業がきつかったりしますが、ライブレジの会社さんは、そのようなことはありませんでした。医療機関への導入実績もありますが、他業種のお店への導入実績も多くあり、特に医療機関を特別視していない印象です。会社によっては医療機関向けの商品になると、ほぼ同じものでも急に値上げするようなケースもあり、かなり微妙な気持ちになりますが、そのようなこともありません。補助金申請の手数料も取らず、かなり良心的な会社だと思います。