今回は電子カルテの使い方のコツの一つです。薬の処方や各種検査のオーダーを出すときに、病名や必要なコメントも「セット」で登録しておくと、一手間減らせて業務効率がかなり違ってきます。すでに実践されている先生も多いと思いますが、私は最初この工夫に気づかず、やってみて本当に便利だったのでご紹介してみます。
血液検査の場合
血液検査をオーダーする際、薬を飲んでいる方や定期通院の方であれば、血算、生化の一般採血については、「貧血の疑い」「肝機能障害の疑い」といった病名は不要です。けれども、初診でスクリーニング的に検査する場面ではこれらの病名が必要です。
私は血液検査のセットを「病名込み」でいくつかパターン作っておくようにして、初診用の患者さんの場合はこちらを引用して一気に病名入力もしています。「糖尿病の疑い」「貧血の疑い」「肝機能障害の疑い」などをセットにして、オーダー時に呼び出すスタイルです。不要なものは後から削ればよく、病名漏れになるよりはマシなので、「過剰につけておいて、後で削る」方が実務的には楽です。
処方薬の場合
処方薬も同様に「病名込みのセット」を作っています。
たとえばリンデロン-V軟膏0.12%、を出すときは、あらかじめ「湿疹」という病名を入れておきます。そうするとチェッカーでアラートが出ることもなく便利です。さらに最近は「両足湿疹」「顔面湿疹」など、よく使うパターンも入れておき、必要なときに編集して使っています。これで処方時の入力がだいぶ楽になります。
コメントもセットにする
処方薬に添えるコメントもセットにしてしまうと効率が上がります。
外用薬なら、M3 DigiKarではテンプレートも選べますが、私は「患部に塗布」とセットで自動入力するようにしておいて、コメントで「塗布部位:両下腿に」などと指定するようにしています。電子カルテの選択式で探すよりも手入力のほうが速いですし、打ち忘れを防ぐ意味でも便利です。
紹介状やその他のコメント
紹介状を書くときも同様です。診療情報提供料の算定には、紹介先の記載の記載が必要ですが、紹介先コメントもあらかじめセットに組み込んでおけば、呼び出した時点で必ず入力欄に表示されるようになります。これで「書き漏らし」がほぼゼロになります。
まとめ
ポイントは、病名やコメントを「セットに組んでおく」ことで入力漏れを防ぎ、日常診療の手間を減らすことです。電子カルテ自体もアラート機能が進化してきましたが、まだまだ完璧ではなく、結局は自分に合った「使いやすい形でセットを組む」ことが一番大事だと思います。
