PayPayなどの各種QRコード決済の台頭や、COVID-19の流行による影響で、日本においても急速にキャッシュレス決済が普及して来ました。従来医療機関では現金のみの扱いが大半でしたが、現在は新規開業ではキャッシュレス決済を導入することが一般的になってきています。今回はクリニックにおけるキャッシュレス決済について考えていきます。
今後の導入は必須と思われる
新規開業の場合はもちろんですが、すでに開業されている先生にとっても、今後キャッシュレス決済の導入は避けられないと思われます。ここ数年でキャッシュレス決済は急速に普及しており、特にクレジットカードが使えないお店はもはや珍しくなりつつあり、QRコードや電子マネーにも対応しているお店も増えています。医療機関は現金というイメージも、少しずつ薄れてきており、もはやキャッシュレスが前提で現金を持ってみえない方もいらっしゃいます。
キャッシュレス決済のデメリット
キャッシュレス決済において最大のデメリットは、決済手数料がかかることです。決済した金額の数%が割り引かれてしまいます。また振込手数料がかかること、お金が手元に入ってくるまでタイムラグが発生し、キャッシュ・フローが悪くなるというデメリットもあります。
しかしながら決済手数料が発生するのは、診療報酬全体の自己負担分のみです。3割の場合では、決済手数料3%かかったとしても全体で見れば、1%に留まります。これは医療機関ならではの利点です。そのように考えると、本来医療機関とキャッシュレス決済は相性が良いわけです。飲食店などの他の業種に比べるとだいぶ恵まれていると思います。
医療機関のキャッシュレス決済の相場ですが、クレジットカードでVISA、Masterの場合は1.5%ほど、JCB、AMEX,Dinersでは3%ほどだと思います。QRコード決済や電子マネーはやや高く3.5%ほどになることもあります。しかし全体的にキャッシュレス決済の普及に伴い、手数料は安くなっていくことも期待できます。当院でもおおよそ上記の価格です。全体的にみると3%ほどに収まっていると思います。
ちなみにデジスマ診療のキャッシュレス決済はクレカ問わずに3%です。
キャッシュレス決済のメリット
キャッシュレス決済を導入するメリットは、現金の扱いが減ることです。現金はそもそも間違いが起きたり、お釣りを用意したりと、意外に手間やコストがかかります。キャッシュレス決済の普及に連動して、お釣りの小銭を銀行で両替するのも、徐々にコストが上昇することが予測されます。また定期的に銀行に預けに行ったり、現金を管理保管することにもリスクを伴います。現金は決済手数料はかからないものの、トータルで考えると、両替手数料、労力を含めた少なくないコストを支払うことになります。
キャッシュレスに対応しないことで機会損失の可能性
今後はますますキャッシュレスが普及し、現金の出番は確実に減っていくでしょう。現在もそうですが若い人を中心に現金をほぼ持ち歩かず、スマホとクレカのみという方もいます。そのような方が急に医療機関を受診しようと思った場合、わざわざコンビニで現金をおろすよりも、キャッシュレス対応しているクリニックを選ぶ可能性が高いでしょう。受診の機会損失につながる可能性が否定できません。
先生のキャッシュレス事情は?
ところでこちらの記事をお読みの先生のキャッシュレス事情はいかがでしょうか?私は大半がクレジットカードでの決済です。正確に言えば、住信SBIネット銀行のデビットカードを使っています。デビットカードのメリットは使った直後に銀行口座から引き落とされるので、使いすぎる心配や、翌月末に高額な請求が来て焦ることがありません。(笑)。キャッシュ・フローの考えでは支払いは先送りにした方が有利ですが、私はそれよりもすぐに支払った方が頭がスッキリするのでこちらのスタイルが好みです。
住信SBIネット銀行は使い勝手抜群です。私はメインの口座には常に50万円ピッタリになるように調整しています。口座振替の分や、何かを買って減った分は、使い分け口座からすぐに補填して50万円になるように調整しています。これは結構おすすめの使い方です。ちなみに資産運用もSBI証券を使用しています。
おすすめは?
自動精算機を導入している場合、その機械に対応しているものしか扱えず、選ぶことは難しいのですが、とりあえず対面決済で導入する場合は、コストが安いものを入れてみることをおすすめします。東京医師歯科医師協同組合に入会されている先生は、医師協経由が初期費用ゼロでコストも最安に近いのでおすすめです。(参考記事→東京医師歯科医師協同組合(医師協)はおすすめ)
またMSgoodsのサイトでもstera terminalが低コストで導入できるようです。stera terminalは本来月額料金などのコストがかかりますが、通常経由で申し込むよりもこちらを経由したほうがコストが抑えられます。
キャッシュレス決済のバックアップは必須
これは以前の記事でもふれましたが、本格的にキャッシュレス決済を扱うクリニックでは、全く別の代替手段を持つほうが良いです。こちらの記事を参考にして下さい。(参考記事→キャッシュレス決済のバックアップ)