前回から続いて、スプレッドシートに関連する話ですが、今回はクリニック運営とはあまり関係ない話題です。
開業は大変ですが、開業しなくても医師の仕事は大変です。他のどの仕事も大変だと思います。大変なことが永遠に続くように思いますが、当然ですが、私達の人生には時間に限りがあります。計算してみると、案外短いと思えます。スプレッドシートで残りの寿命、仕事ができる時間を考えてみると、想像以上に残りの人生が短く感じると思います。仕事だけでなく、人生の残り時間を意識するために、スプレッドシートを用いる方法をご紹介します。
人生は30000日しかない。
よく言われることですが、人生をざっくりと日数に換算すると、人生は30000日しかありません。3万日生きた場合、約82年です。ちなみに、80歳まで生きた場合は、29220日です。
私はこの内容の記事をインターネット上のどこかで目にしたとき、すでに1万日以上生きていました。平均的に生きたとしても、もう人生の1/3は終わったのだと思うと、なんだか早いような気分になりました。
スプレッドシートで計算するとさらに短く感じる
人生は30000日の記事を読んだことなど、その後すっかり忘れていましたが、スプレッドシートを使うようになってから、ふと自分の残りの人生はどのくらいか、計算してみる気持ちになりました。80歳まで生きると仮定しても、もう思ったより残っていないのだなあと、以前より減った寿命を眺めて思いました。
さらに、今後の人生での目標や、今までの人生でのイベントを追加して、そのイベントから、どれくらい時間がたったのかを、一覧でみられるように編集してみました。高校、大学入学、医師免許取得、初期研修修了、専門医取得などの過去のことから、仕事を完全に引退する目標の年齢、借金が返し終わる年齢、クリニック閉院目標の年齢など、いくつか未来のイベントを書き込んで、このスプレッドシートをみている日から、どれくらい日数が経ったか、今から何日後におこるかを計算してみました。
そうすると、自分の未来が本当にあまり残っていないことを、ありありと実感できます。しかも時間の経過は歳を重ねると、若いときよりも早く感じるものです。体感時間としては、さらに時間が残っていないのだろうなと感じます。
必要なお金も、無限ではない
開業すると、やはり何かにつけて、資金繰りの管理に頭を悩ませます。また退職金もないので、老後資金も自前で用意しなければなりません。一体いつまで働けばいいのかと、常にお金の不安や悩みはつきないものです。医療に携わる人間としては複雑ですが、寿命が伸びることも良いことばかりではないと思う日々です。
しかしながら、スプレッドシートを眺めると、残りの日数も限られていることが、かなりリアリティーをもって実感できます。残りの時間が数字でありありとわかるのは、ある意味、残酷なことなのかもしれません。しかし同時に残りの人生が限られている以上、これからの人生に必要なお金も限られたものであることが実感できます。そう考えると少し気が楽になります。少しですが、、。
それよりも限られた残りの時間で何をしたいか、どのように生きたいかということが重要であるように思います。私の残りの時間を眺めて、自分にとって大切なもの、やりたいこととは何かを自問自答する日々です。どうしても日々の仕事に頭を悩ませることが多いですが、
どこまでいっても、安心というのは難しいかもしれません
先生はどこまで稼げば安心できるでしょうか?老後資金として必要なお金の資産の計算方法や、一定の資産を築いて4%ルールで崩して生きていくなど、様々な考え方はありますが、私としては、どんなに稼いでも安心できるというのは、無いのではないかと思います。聞いた話では、一生かかっても使い切れない資産を持つような人でも、人によっては常にお金の心配をしているそうです。おそらく多くの先生は、築いた資産を使い切るより早く寿命が来ると思われます。どこかで気持ちに折り合いをつけることになるのか、いつか心境の変化が訪れるのか、私にはまだわからない領域ですが、いつかは分かると信じて生きていこうと思います。