開業する際に検査機器をどこまで揃えるのかというのは、多くの先生が迷われる問題だと思います。CTまで導入する重装開業をされる先生もいらっしゃれば、レントゲンも導入しない先生もおられると思います。今回は開業の際に検査機器はどこまでそろえるのかということについて考えていこうと思います。

検査機器は問題は結構重要

この問題は本当に多くの先生が悩まれると思います。検査機器はあとから買い足したり、更新することができるエコーや心電図などであれば、開業してから考えてもよいと思いますが、レントゲンやCTなどは、後から増設するのは、ほぼ不可能です。どうしてもという場合は移転が必要になり、現実的ではありません。また逆に最初に導入したはいいものの、あまり使わない場合は、ランニングコストやメンテナンス費用だけがかかることになり、経営の負担になります。

コストと収益をシュミレートして考える。

たとえばレントゲンであれば、最低一日何件行えば、ランニングコストを払うことができるかを計算してシュミレートしてみると良いと思います。たとえば、一日3回レントゲンを撮れば、少なくともランニングコストは回収できると仮定します。そして先生のクリニックで一日平均5回使う想定であれば、導入を前向きに考えてもよいと思います。しかし一日1回使うかどうかという想定であれば、レントゲンを置くことにより毎月赤字になってしまいます。その場合は導入しない方がよいでしょう。

特にCTは電気代も場所代もメンテ費用も高額です。導入したものの、一日1件使うか使わないかという状態であれば、先生にとって大きな負担になる可能性が高いです。

機器はどんどんアップデートされる

CTやエコーをたとえ最新型を導入しても5年も経てば旧式になってしまいます。当然クリニックでは頻繁に買い替えるわけにもいきません。そう考えると、特に高額の機器は最新型を追いかけるのはクリニックには難しいと思われます。どうしても規模の大きい病院や、巨大資本を有する法人には敵いません。

画像診断などの精査が必要な場合は早めに紹介するのも現実的

精査が必要な場合、専門医受診が望ましい場合には早めに紹介してしまうというのも一つの考え方であると思います。その方が患者さんにとっては、かえって二度手間にならず、早く適切な治療が受けられるケースもあります。その一方で何でもかんでも紹介するのは気が引けるので、線引が難しいところではありますが。。

首都圏であれば、メディカルスキャニングさんに依頼する手もある

近年は画像診断を専門で請け負ってくれるクリニックも存在します。メディカルスキャニングというクリニックでは、CT、MRIの検査を行っており、空いていれば即日でも検査してもらえます。胸部レントゲンで要精査で来院した患者さんなど、緊急性はないものの、検査が必要な場合は大きい病院に紹介するよりも早く検査をしてもらえます。読影も放射線科専門医がダブルチェックをしているので安心です。私も適宜ご紹介させて頂いており、非常に助かっています。

迷ったら、本当に必要か、代替できる方法はないかを考えてみることをオススメします

レントゲンなどは開業時に決断せざるを得ませんが、エコーなどはもし先生が迷うようであれば、入れることができるスペースのみ確保しておき、クリニックを運用してみて対象となる患者さんが一定以上みえるようであれば、そのときにあらためて導入する流れでもよいかと思います。張り切って最新型のエコーを入れたのはいいものの、ホコリを被っているようなことになると、メンテナンスのコストだけがかかるようになります。スペースも占拠します。厳密に言えばスペースもタダではありません。

このサイトをご覧の先生は、ミニマム開業を想定されている先生もいらっしゃると思いますが、ミニマム開業であれば、よっぽどつかうもの以外は、入れないというのが安全であると思います。私はテナントのスペースの問題もありましたが、レントゲンも入れていません。不便を感じることが無いわけではありませんが、冷静にレントゲンを使用するコストをシュミレートすると、とても採算的には合わなかったので導入しなくてよかったと思います。近隣の医療機関とも連携し、検査が必要な患者さんはご紹介することで、なんとか回しており、今のところはそれでなんとかなっています。