開業医は色々と事務的な作業がありますが、開業届のように一回で済むものもあれば、レセプト請求のように毎月行う作業もあります。定期的に行う届出や作業については、面倒でもマニュアル化して、手順を明確にしておくと作業効率がアップします。また期日も忘れないようにITをで対策を取ることがオススメです。
今回は各種作業のマニュアル化、リマインドについて考えていきます。
毎月、毎年など定期的な作業はマニュアル化
毎月行うレセプト等の届出や、毎年行う労災保険の届出など、クリニックを運営していると色々と事務作業が入ってきます。そしてそれをその都度調べながらやっていると時間がいくらあってもたりません。毎月のものならまだしも、一年に一回の届出などは、一度調べてやっても、翌年にはもう忘れており、再度調べながら書類を作る可能性が高いです。マニュアルに書き残すのは正直面倒ではありますが、少しの手間で、トータルでは大きく時間を削減できます。
レセプト請求などは、すでに慣れていればマニュアル化は不要かもしれませんが、漏れがないようにチェックリストは作った方がよいと思います。繁忙期で忙しく、疲れて寝不足であったりすると、当たり前のようにやっていたことでも、思わぬ見落としが発生することもあります。私は完全にもう覚えたと思っても、チェックリストを毎月チェックして、確実に漏れがないように対策をとっています。
忘れないように、ITツールの活用がオススメ
レセプト請求は毎月5日からですが、万が一10日までにできないと、診療報酬の振込が遅れるので、経営的にまずいことになります。そして忙しく、追い詰められていると、うっかり忘れてしまいそうになることもあります。忙しすぎると日付の概念が抜け落ちてしまうことがあり、おそらく先生にもご経験があるのではないでしょうか。
そのためこれらのことは、絶対に忘れないように、リマインダーに組み込んでおくことがオススメです。iPhoneのリマインダーでは、定期予定も設定できるので、予定をこなした後にチェックをすれば、また翌月にリマインドしてくれます。これなら押し間違えない限り、うっかり忘れてしまうことを避けることができます。
私は、毎月の予定から、毎年出す書類などの予定、サブスクリプションの期限や税金の支払い期限まで、すべてリマインダーに落とし込んで管理しています。このような対策を取れば、絶対に忘れることがありません。リマインダーに落とし込んでいれば、平時は安心して忘れることができるので、頭のメモリも節約できます。また期限より早めにリマインドするようにしているので、書類の準備に慌てる必要もありません。
以前はカレンダーに落とし込んでいましたが、カレンダーの場合は、予定の日を過ぎると通知されないので、見落としてしまうこともありました。そのため私としてはリマインダーがオススメです。私はiPhone、macを使っていますが、同じような機能であれば何でもよいと思います。
文書管理はGoogleドキュメントがオススメ
マニュアルですが、すぐに参照できて、検索性が高く、作成の敷居が低いものである必要があります。個人的に最適なのはGoogleドキュメントだと思います。こちらはMicrosoft Wordのグーグル版で、ブラウザ上で無料で使えます。
以前、私は別の文書ソフト(appleのpages)で作成していましたが、その文書を開くことすら一つ敷居があるのです。しかもどこで何を作ったかすら忘れてしまい、結局役に立たないケースもありました。そのため現在は、上記のGoogleドキュメントになるべく集約するようにしています。
こちらは検索性も高いですし、ドキュメントタブも複数作れるので、ジャンルごとに分けることもできます。またクラウドベースなので、他の端末からもリアルタイムで共有されます。診察室で書いていた文書を、発熱外来のスキマ時間で付け足したりと、私も便利に使わせてもらっています。
家族の予定もリマインドを!
少し話しがズレますが、できれば家族の記念日などもリマインダーで管理しておく方が良いと思います。開業当初は本当にやることが多く、忙しいので、今まで当たり前で、絶対に忘れないようなことすら抜け落ちることがあります。
特に注意したいのは、パートナーの誕生日や記念日です。絶対に忘れないと思っていても、睡眠不足と心労で、心身がすり減った状態だと、本当にありえないことが起こります。そしてパートナーのイベントを忘れると、著しく信頼を損なうことになります。開業の成功と共に、人生を幸せにするためにも、これは絶対に避けなければなりません。
リマインダーは、定期予定を仕事用、個人用、記念日用に分けて管理するとスッキリします。開業に関係なく、こちらはすべての先生にオススメです。