クリニックを開業する際、銀行口座をどこにするかは意外と悩ましいポイントです。一度決めるとそのまま長く使い続けることが多いため、最初の選択が重要になります。多くの方がメガバンクや地銀を選ぶ中、私は「住信SBIネット銀行」をメインで利用しています。本記事では、住信SBIネット銀行の実際の使い勝手やメリットを、開業医としての視点から詳しくご紹介します。個人口座・クリニック口座・法人口座それぞれの活用法や、コラボ支店、振込手数料無料の工夫など、実例を交えながらご紹介します。
※ちなみにこちらの記事に、住信SBIネット銀行との利益相反はありません。アフィリエイトリンクすらありません。気に入っているので、勝手にオススメしているだけです。
現状では、住信SBIネット銀行が一人勝ちの状態
結論としては、個人、クリニックの口座、法人の口座いずれも、住信SBIネット銀行がもっとも低コストで、使いやすいと思います。住信SBIネット銀行については、ネット検索で使いこなし方がいくらでも出てきますが、今回は私が実際に使って便利だと思うポイントをご紹介しようと思います。
振込手数料の無料回数が多い
住信SBIネット銀行は、住信SBIネット銀行同士での振込手数料は何度でも無料です。他行へは振込手数料がかかりますが、実務上はほぼ無料でできます。住信SBIネット銀行は簡単な条件を満たすだけで、他行あて振込手数料が無料になるためです。私の場合は月に10回無料になっていますが、実際は月に2-3回しか使いません。ご自身や家族、スタッフにも住信SBIネット銀行を使用してもらうと、振込手数料を払う機会はなくなります。
コラボ支店で、同日名義で複数の口座を持てる
ネット銀行は色々ありますが、住信SBIネット銀行が最強だと思う点は、コラボ支店を利用すると、一人の名義で複数の口座を保有することができることです。これはもちろん合法です。メインの口座に加えて、Vポイント支店や、第一生命支店などの、様々な企業やサービスとコラボした支店があります。
複数口座を持つことにより、目的によって銀行口座を使い分けることが可能です。しかもすごいところが住信SBIネット銀行同士では振込手数料が回数無制限で無料なため、資金移動が簡単にできます。しかも同じ銀行内なので、夜間や休日でもリアルタイムで反映されます。1秒のラグもありません。
たとえば個人の生活費管理には、メインの支店を持ち、クリニックの口座には、Vポイント支店を利用して、個人の資産管理には、第一生命支店を利用する。ことなどが可能です。
コラボ支店では、支店によって若干使いやすさに差があります。私が使用して把握している範囲では、上記のVポイントと第一生命支店がメインのUIと似ているので、使いやすいと思います。これらは完全に好みの問題なので、先生の好きなもので良いと思います。
さらなる利点として、コラボ支店も基本的に5回ほど、振込手数料が無料になります。複数口座持っていると、事実上、銀行振込に手数料を払うことはなくなるでしょう。
使い分け口座が秀逸
また各銀行口座で、使い分け口座というサービスがあります。一つの支店につき、10個まで作成可能です。これが地味に便利です。一時的に避難して置きたい資金や、資産管理でも、貯蓄用、娯楽用、投資用などに分けることができます。用途を明確にして管理することができるので、頭がスッキリしてとても便利です。
デビットカードも使いやすい
住信SBIネット銀行はデビットカードも使用でき、これもおすすめです。クレジットカードと同様に使用可能で、使った瞬間に銀行口座から引き落とされるので、使いすぎる心配がありません。一部デビットカードが使用できない、公共料金や通販サイトもありますが、日常の大部分はデビットカードで対応できます。ちなみにポイント還元率は、記事執筆時点ではVポイント支店が1,5%と高還元率です。リアルカードは持てませんが、通販やスマートフォンでのタッチ決済であれば使用可能です。デビットカードはクレジットカードよりも還元率が低いことがネックでしたが、これが解消されました。ちなみにVポイントはSBI証券で投資信託等を買うことができるので、買ってすぐ売れば、事実上換金できます。
住信SBIネット銀行以外の口座は?
上記のように住信SBIネット銀行がもっとも便利なので、メインで使用していますが、日本政策金融公庫の返済等、対応していないサービスや、キャッシュレスの振込で指定されている銀行があるので、それらについては、一部地銀やメガバンクも使用しています。ただ用途は限定的になっています。
家族やスタッフも統一
住信SBIネット銀行同士では、振込手数料無料で即時反映のため、家族やスタッフにも開設してもらい、手数料や手間の削減に勤めています。一度使い始めると好評です。
マイクロ法人の銀行口座にも使用
以前までは、法人口座に対しては住信SBIネット銀行同士でも振込手数料がかかっていましたが、数年前になくなり、さらに便利になりました。マイクロ法人にももちろんおすすめです。
ペイオフ対策
万が一、銀行が経営破綻した場合も、預金が1000万円まで保障される法律がありますが、これはそれぞれの支店ではなく、コラボ支店も含めて総額で1000万円となります。(参考→〔提携NEOBANKサービス〕提携 NEOBANK 支店口座の預金は、預金保険制度の対象となりますか? )そのため預金が多く、対策を取りたい先生は、他の銀行口座も利用することがおすすめです。ちなみに証券口座の預け金は、分別管理により基本的には全額保護されているので、こちらを利用する手もあります。もちろん不正アクセスには注意する必要がありますが。
個人事業主の間は個人名で問題なし
住信SBIネット銀行はいわゆる屋号での口座開設は出来ません。(参考→〔口座開設〕 口座名義にショップ名(屋号)や団体名のついた口座は開設できますか?)これは場合によってはデメリットになるかもしれません。しかし個人事業である間は特に、代表者である先生個人の名義で問題ないと思います。検査会社や卸等の口座振替も個人名で特に問題ありません。
もうほかの銀行を使う理由がない
住信SBIネット銀行が対応していないサービスや、銀行口座指定のサービスを除いて、個人的には住信SBIネット銀行以外を使う理由が、現状では無いほど、便利なものになっています。もちろんこのようなサービスは流動的なので、今後のことはわかりませんが、記事執筆時点は完全に独走状態、一人勝ちに近い状況になっているように感じます。
口座振替の書類について
住信SBIネット銀行は銀行印の届け出がないので、口座振替を依頼するときに、ここで迷う方がいらっしゃるようです。基本的に任意の印鑑で問題ないとなっています。口座振替は可能です。公式サイトにもでています。(参考記事→〔口座振替〕カード会社等に提出する口座振替依頼書に届出印を捺印する欄があります。どうすればよいですか?)
私の実用例
私の実用例を参考にお示しします。コラボ支店が普及したときに、試しにいくつか作成しましたが、現状では以下の使用に落ち着いています。
個人のメイン 生活費管理等 → メイン支店(コラボ支店でなく、バナナ支店などのもっともメジャーな支店)
クリニックの口座 → Vポイント支店
個人の貯金口座 → 第一生命支店
マイクロ法人口座 → 法人第一支店
高島屋での買い物 → タカシマヤ支店
高島屋では、株主優待を使用する際には他社のクレジットカードが使用できないため、タカシマヤ支店の銀行口座払いを使用しています。使いすぎないので本当に便利です。
また普段の支払いや、通販でも、可能な限りデビットカードを使用しています。即時引き落としなので、後から請求が来ないので、ストレスが減ります。
他にも過去にはJAL支店やヤマダネオバンク支店も使用していましたが、使い分け口座を使うと、現状は上記で足りているので、今のところは保持のみにしています。
まとめ
開業医として日々の業務をスムーズに行うには、使いやすくコストパフォーマンスの良い銀行口座の選択が重要です。私自身、住信SBIネット銀行を個人・クリニック・法人で使い分けてきましたが、その便利さ、柔軟性、そして手数料の面でも非常に満足しています。もちろん、銀行サービスは流動的であり、今後変化があるかもしれませんが、現時点では「他を使う理由が見当たらない」というのが率直な感想です。これから銀行口座を選ぶ先生方の参考になれば幸いです。
※おまけ
鋭い先生はお気づきかと思いますが、今回から、記事タイトル、最初の記事要約、最後のまとめについて、チャットGPTを一部利用しています。本文は完全に私が書いていますが、要約やタイトルのアイディア、校正など、ChatGPTの威力はすさまじいです。開業医の先生も、紹介状の作成等ですでに積極利用されている先生もみえるようです。ChatGPTについてもいつか記事にしてみようと思います。
今のところは、本文もChatGPTに頼ると、ありきたりの内容になってしまうので、私が書いていますが、状況が変わってくるのは、時間の問題かもしれませんね。