しばらくの間、当院では私自身が主導して、クリニック全体のコストカットに取り組んできました。これまでいくつか具体例をご紹介してきましたが、削減という面では一定の成果があったと感じています。これらについては、別の記事でもご紹介している通りです。
一方で、最近の運営で逆にコストが増えた部分があるのも事実です。削減によって不足する部分を補うために新たに費用が発生したケースもあれば、コストカットとは別の要因で単純に増加したものもあります。
今回は、そのような背景を踏まえて、ここ最近でコストが増えたもの、あるいは新たに課金するようになったものについて整理し、実感ベースで振り返ってみたいと思います。
コストが増えたサービス
ここ1年ほどで、コストが増えたものについて整理してみたいと思います。今回は新たに購入した備品などは除き、いわゆる月額等で発生するランニングコストに絞って挙げています。
具体的には、以下のようなサービスです。
- ChatGPT
- Claude Code
- Aqua Voice
- リチャージモバイルWiFi
振り返ってみると、いずれも生成AIやIT関連のサービスが中心になっています。このあたりは意図して導入してきた部分でもあり、結果としてコスト増につながっている形です。
それぞれについて、実際に使ってみた感触も含めて少し触れていきたいと思います。
ChatGPT
こちらは言わずもがなですが、生成AIの代表的なサービスであり、現在は非常に幅広い用途で日常的に使用しています。日々の調べ物に加えて、業務としてのメール返信の下書きを作成してもらうなど、実務面でも活用しています。
また診療面においても、普段あまり遭遇しない疾患や、やや非典型的な愁訴に対して、鑑別診断を整理する際の補助として利用することがあります。あくまで最終判断は自身で行う前提ですが、思考の整理や壁打ちの相手として使うことで、考えの抜け漏れを防ぐという意味でも一定の有用性を感じています。
コストとしては新たに増加した部分ではありますが、その一方で、以前使用していた「今日の診療 ベーシックプラン」は使用頻度の低下もあり、最終的に解約しました。薬剤情報などについては他の資料でも十分に対応可能であるため、全体としてはこうした形でバランスを取っています。
Claude Code
こちらは、ChatGPTと並んで使用している生成AIツールで、主にファイル操作やプログラミングのコード調整といった用途で活用しています。このサービスについても、新たにコストが増えたものの一つです。
これによって直接的に金銭的なコストカットができたというわけではありませんが、時間という意味でのコスト削減には大きく寄与していると感じています。
具体的には、簡易的な病名チェッカーの作成や、クリニックの締め作業の自動化などを進めており、こうした部分で業務時間を大きく短縮することができました。結果として、日々のオペレーションの効率化にはつながっていると考えています。
こちらについては、もう少し具体的な活用方法も含めて、別の記事で改めて触れてみたいと思います。
Aqua Voice
こちらは、以前音声入力の記事でもご紹介した音声入力ソフトで、有料のサービスになります。精度はかなり高く、医学用語についても辞書登録を行うことで十分に拾うようになるため、日常のカルテ記載がかなり楽になるという点で導入しています。
また、本記事自体もすべて音声入力で作成しています。ある程度まとまった内容を話して入力し、それをChatGPTに貼り付けて言い間違いや文のつながりを整えてもらう、という流れで記事化しています。診療以外でも文章を書く機会が多いため、この点でも日常的に活用しています。
こちらについても、直接的に他のコストを削減したというよりは、時間と労力の削減に寄与している側面が大きいと感じています。タイピングと比較して音声入力のほうが明らかに負担が少ないため、その意味での価値は十分にあり、課金するだけの価値があると判断しています。
リチャージモバイルWiFi
こちらは、あまり聞き慣れない先生も多いかと思いますが、いわゆる買い切り型のモバイルWiFiです。もともとはクリニックの緊急時のバックアップ回線として導入を検討し、以前の記事でも触れたことがあります。
従来はUQ WiMAXを契約していましたが、月額で4,500円〜5,000円程度かかるため、実際にはほとんど使用しない回線としてはコストがやや重いと感じていました。そのため、1年間で100GBといった容量を買い切るタイプの回線に切り替えることで、コストを抑える形としています。
厳密にはコストが増えたというより、UQ WiMAXと比較するとむしろ削減できているのですが、新たに導入したサービスという意味で、今回あえて挙げていま
実際の運用としては、クリニックで緊急回線として使用する場面は現時点ではほとんどなく、主に外出先でパソコンを使用する際の回線として活用しています。通信速度については特別速いというわけではありませんが、日常的な用途であれば問題なく使用できており、全体としてはコストとのバランスを考えても悪くない選択だったと感じています。
まとめ
今回はコストについて、これまでコストカットに取り組んできた中で、逆に新たに課金するようになったものが何かあるかを振り返り、整理してみました。
結果として挙がったのは、いずれも生成AIやIT関連のサービスが中心となっていました。ChatGPT、Claude Code、Aqua Voiceといったツールは、いずれも近年のテクノロジーの進化に伴って導入したものであり、その分のコストは確実に増えています。
一方で、これらによって時間や労力といった目に見えにくいコストについては、確実に削減できていると感じています。この点は、日々の診療や業務を回していく中では非常に大きな意味を持つと考えています。
今回ご紹介した中には、あまり聞き慣れない、あるいは実際に使ったことがないサービスもあったかと思いますが、少しでも導入を検討するきっかけになれば幸いです。
特にAqua Voiceについては、一度使うと手放せなくなる類のツールで、カルテ入力の負担軽減という意味では非常に有用です。マイクとあわせて導入することで、より効果を実感しやすいのではないかと感じています。
これからは、金銭的なコストだけでなく、時間や労力も含めてトータルで最適化していく考え方が重要になってくるのではないかと感じています。
