電子カルテは紙カルテに比べると圧倒的に記載の手間が減り、現代クリニックには必須のツールであると思います。手間を更に削減するには、ソフトウェア、ハードウェア両面から、電子カルテ入力の補助ツールを使用することが重要です。私が実際に使用している時短ツールについてご紹介していきます。
今回はハードウェア編で、私が使用している、ゲーミングキーボード、ゲーミングマウスについてご紹介します。
ゲーミングキーボード
こちらは普通のキーボードではなく、左側についたG1〜G5の5つのボタンに、よく使う機能や文字を割り当てることが可能です。使い慣れると非常に重宝します。さらに付属の専用のソフトで設定すると、COVID-19やインフルエンザの結果入力も円滑にできるようになります。
実際の運用
私が実際に割り当てているものは
G1 コピー
G2 ペースト
G3 Gシフト(後述します)
G4 「◯」
G5 カルテ保存(Ctrl + S)
になります。
G1、G2のコピー、ペーストは、特にキーボードのショートカットキーを使っても問題ないですが、発熱外来で手袋をしながらパソコン操作を行う際は、こちらのように割り当ててしまった方が使いやすく感じます。ワンクリックで、ブラインドで操作できるので、カルテ入力の速度は向上しました。
G3 Gシフトというキーを設定すると、Gシフトを押している間は、他のキーを割り当てることができます。こちらを押している間は、下にお示しするキーを割り当てています。
G4は私がよく使う「◯」を割り当てています。これは、私が患者さんのカルテ記載でやることをリスト化しており、できたもの順に、◯をつけているためです。
具体的には
#妊娠・授乳確認
#病名登録
#カルテ記載確認
#サマリまとめ確認
#コロナ抗原検査結果カルテ登録
#検査陽性の場合:結果印刷お渡し
#症状詳記
の項目を、初診、再診カルテでチェックできるようにセットを組んでおき、診察後にこれらの項目全てに◯がついたら、終了とすることで、カルテ記載に漏れが出ないようにしています。
G5 カルテ保存も左下にあるので、迷わずブラインドで押せます。今ではほぼ無意識に手が動くようになっています。クラウド型の電カルは細かく保存しておくほうが安全です。
Gシフトを押している間の操作
Gシフトを押している間は、
G1 カット
G2 「ー」Tab「ー」Tab「ー」とオート入力するコマンド
G3 Gシフト
G4 「ー」
G5 BackSpace
を割り当てています。
G1 カットは意外に重宝します。コピーしてから、BackSpaceで消してもいいですが、ワンクリックの手間を節約できるのは大きいです。
G2がポイントで、これがプログラマブルキーボードの真骨頂ともいえるかもしれません。このコマンドをいれると、
「ー」
「ー」
「ー」
と自動的に入力してくれます。改行も自動でしてくれます。
COVID-19+FLUの同時検査をして、いずれも陰性だった場合、これを使用すると、一気に結果を入力することができるのでかなり便利です。このキーボードを買う前は、いちいち「ー」を入力していました。数秒ですが時間を節約できます。
G4「ー」は、陽性と陰性が混在した場合や、COVID-19単独検査の場合などで使用します。
G5 BackSpace もこれも結構便利で、左手でBackSpaceを簡単に入力可能なので重宝します。
このゲーミングキーボードは、色々細かく設定できるので、パソコンが得意な先生はより使用方法が広がると思います。厳密に言えば、もっと細かく設定することは可能ですが、色々と試行錯誤した結果、現時点では、このような形に落ちつています。
ゲーミングマウス
マウスについては、色々な先生の現場を拝見させていただきましたが、先生によってかなり好みが分かれるようです。今回は私が使用しているもので、使い勝手がよいものを一つご紹介します。
こちらはロジクールのゲーミングマウスで、発熱外来のwindowsのPCで使用しています。(ちなみに一般外来ではmacを使用しており、こちらは左手でマウスを操作するのでAppleデフォルトのものを使用しています。)
このマウスで気に入っている点は、戻る操作が、手元でやりやすい点です。ページ移動にわざわざ左上までドラッグするのは手間ですが、このマウスは右手親指の操作で一瞬で可能です。この機能があるマウスは現在では多数派ですが、こちらのマウスは軽いタッチで操作可能なところが気に入っています。同じロジクールなので、上記のキーボードとセットで設定できるので、おすすめです。こちらもプログラマブルですが、今のところはタッチの軽い普通のマウスとして使っています。
まとめ
前回のソフトウエア編と含めて、電子カルテ入力の手間を減らす工夫をお伝えしました。この他には、電子カルテのセット機能もフル活用しており、これについても別記事で取り上げようと思います。
電子カルテはワンクリック、ワンプッシュの手間を減らすために、工夫をしていくとかなり効率化出来ると思います。これらについての投資は報われる可能性が高く、コストパフォーマンスが高いと思われるため、多くの先生にオススメです。