慢性疾患で、定期通院されている患者さんの予約は、診察時に次回予約をするかどうかという問題です。結論から申し上げると、当院では次回予約は一切とっておらず、患者さんのタイミングにお任せしています。経営の安定という面からすると、次回予約は取った方が、適切と思われますが、当院では敢えて取らずに対応しています。
今回は次回予約について考えていきます。
そもそも予約は直前にしか開けていない
当院が次回予約を取らない理由は、そもそも予約を直近の診療日しか開けていないという事情が大きいです。予約枠については別記事もご参照いただければと思います。(参考記事→予約はどこまで先を開けるか?)
私の現在の考えでは、あまり遠くまで予約枠を解放すると、急に自分や家族に何かが起きた時に、休診にすることができないのが、ややプレッシャーになるという理由が大きいです。フットワークを軽くするため、急な予定にも対応できるように、今のところはこのような体制を取っています。
再診率向上には次回予約は有効と思います
しかし一般的な戦略としては、私のようなスタイルはご法度であることは自分でも認識しています。可能なら処方が切れる直前に次回予約をとっておくのがベターであると思います。特に慢性疾患で定期通院してくれる患者さんがいると、経営的にも精神的にも安定しますし、特定の日にたまたま予約が密集してしまって、受診できないというようなことも避けられます。
あえて次回予約を取らないメリットも
一見すると次回予約を取ったほうがメリットがありそうですが、あえて予約をとらないことでも、実はメリットが存在します。
最大のメリットは患者さんが好きなタイミングで受診する日時を選べることだと思います。当院は比較的ビジネスマンが多く、一ヶ月、二ヶ月先だと予定が読めないという方も珍しく有りません。そのような患者さんは、ご自身でよいタイミングでとっていただく方が双方にとってメリットがあります。
また予約をしたけれど、一度でも無断キャンセルをしてしまうと、患者さんが次に来院しづらくなってしまい、結果他院に移ってしまうこともあります。それはこちらとしては避けたいことです。患者さんが都合が悪くなれば任意に予約を替えることができるwebシステムにするなど、対策を取ることも可能ですが、ゼロにはできないと思います。予約は始めから患者さんが好きな日時で取れれば、そもそもこのような問題は生じません。
個人的な好みも大きい
実は私があまり先の予定を立てることが、個人的に好きではないということもあるかもしれません。私も受診する際は、先の予定が読めないことが多いので、次回予約は可能なら任意の時期にこちらで選びたいという気持ちがあります。
当院はこのようなスタイルにしている影響もあってか、予約は好きな時期にご自身で取ることを好まれる方が継続して通ってみえる印象です。次回予約があった方が安心という患者さんは、そのような対応をとってくれるクリニックに行かれるでしょうし、棲み分けという意味でも、現状では、これはこれでひとつの形なのかなと、考えています。