電子カルテは上手に使用すると本当に時間を短縮できます。今回はその中でもセットを組むことで時間を短縮するポイントについて、実際に私が使用しているものをご紹介します。私はM3 DigiKarを使用しているので、こちらのカルテの内容になりますが、セット機能は多くの電子カルテで似ているので、M3 DigiKarでない先生にもご参考になるかと思います。

よく使う薬は、カルテ記載+病名を含めてセット登録する。

例えば尋常性ざ瘡で、ベピオゲルを使用される先生は、多いと思いますが、こちらを例に考えてみます。

処方

まずは処方については以下のようにします。

ベピオゲル2.5% 15 g
塗布部位:顔のニキビに
1日1回 患部に塗布

ベピオゲルは15g単位の包装が多いので、ひとまず、セットでは15gで組んでおき、状況によって、15の倍数で量を調整します。

ポイントは、用法用量は「患部に塗布」にしておいて、コメントとして、「塗布部位:顔のニキビに」としている点です。電子カルテでも用法用量から部位を選択することができますが、探すのに時間がかかります。それなら、「患部に塗布」にしておいて、コメントとして、部位を指定したほうが時間を短縮できます。

ちなみに外用薬で「患部に塗布」だけで、具体的に部位を指定しないと査定される可能性が高いので注意が必要です。(参考記事→病名記載のポイント

カルテ記載

またカルテ記載もセットに組んでおきます。

#顔面尋常性ざ瘡

ベピオゲル2.5%
処方。

しばらくは、ピリピリするかもしれないが、2-3週間で落ち着いてくる旨を説明。
発赤がひどいなど、副作用あれば、中止を。
日焼けを避けるように説明。

ベピオを最初に処方する際に説明する常套句は、セットで引用できるようにしておくと便利です。カルテ記載の手間も省けますし、こちらも説明漏れがなく、医療安全の面でも有用です。あとは個々の患者さんに応じて、所見とコメントを記載するだけでカルテが出来上がります。一から作成するのに比べるとかなり時間が節約できます。

病名

病名は「尋常性ざ瘡」を入力後に、部位を「顔面」に指定し、→「顔面尋常性ざ瘡」と入力されるようにセットしておきます。
今回はさすがに「尋常性ざ瘡」だけでも査定される可能性は低いと思いますが、たとえば湿疹の場合、「湿疹」だけでは危険で、必ず、「顔面」や「両側下腿」など部位を記載する必要があります。

セットの名前

最後にセットの名前ですが、これにもポイントがあります。私は以下のような名前をつけています。

「ベピオ 1本15g ニキビ 尋常性ざ瘡 べぴお」

単純に「ベピオゲル2.5%」としても良いのですが、病名で検索したい場合、このように記載しておくと病名でも探せます。稀に忙しさに追い詰められていると、当たり前の薬の名前をど忘れして焦ることがありますが、そんなときも有用です。

また平仮名で「べぴお」とも入れておくと、セット検索の際にカタカナに変換するひと手間を節約できます。これはわりとよく使うセットで有用な方法です。逆にめったに使わないセットには、ややこしくなるので使用しないほうが良いです。

さらに外用薬の場合は、1本15gなど包装単位もセット名に書いてしまいます。これであれば、一々調べる手間が省けます。

フォルダ管理は?

セットについてはフォルダ単位で管理することもありますが、初診カルテや風邪薬セットなどの毎日使うものや、特殊なもの以外は、私は敢えてすべて一つのフォルダにまとめてしまい、検索して使用しています。比較的よく使用するものは、上記のようにひらがなを併用して対応しています。

小児の薬は体重別に管理

当院は小児科は標榜していないものの、多くはありませんがお子さんも来院されます。ほとんどが風邪やアレルギーです。小児のかぜの処方については、私はあらかじめ5kg単位の体重でセットを作っておき、患者さんに応じて微調整する形で対応しています。なれない薬もあらかじめ準備しておけば慌てることがありません。