検査会社の探し方

開業するにあたって多くの先生が、外注で検査を依頼されると思います。開業コンサルさんに頼むとこの辺りも全て手配してくれますが、自力で開業される場合はそうもいかないです。私も最初どうすればよいか全くわからず、自力で開業した先生も周りにまったくいなかったので、どうしようか非常に迷いました。今回は自力で探す先生向きの、検査会社の探し方についてご紹介します。

検査会社は全国規模の大手から、地域密着型の検査会社まで多くあります。ひとまず私は、自分の地域に存在する検査会社をピックアップし、そこから営業所が近くて、受託してくれそうな3社にしぼり、会社の問い合わせフォームから、開院予定で、検査を受けてもらえないでしょうか?という旨のメールを送りました。幸い3社とも前向きにご検討頂き、見積もりを提示頂いて、面談を行いました。私が当時依頼したのが、BML、SRL、LSIメディエンスの3社です。結果的に当院では、LSIさんにお願いすることになりました。
先生が自力で探される場合は、開院予定の地域にある検査会社をネット検索で探し、いくつかの会社にメールを送ってみるのがよいと思います。

相見積もりは必須

検査会社だけではありませんが、今後先生が何か機器を購入したり、何かしらの依頼をしたりする場合、一社のみを見ることは極めて危険です。かならず複数社から相見積もりをとる必要があります。相見積もりをとって比較することに抵抗がある先生が少なくないことは十分承知しています。しかし医師でありながら経営者になる以上、相見積もりは今後必須スキルになります。また依頼を受ける方も、こちらが相見積もりをとっていることは、当然のことと思っています。逆にとっていないと、高額な価格を提示されていても気づかないことになり、かなり危険です。

検査の外注市場はかなり厳しい

以前まで、クリニックは検査会社を選べる立場でした。相見積もりをとり、価格や利便性など、先生が気に入ったところに依頼することが可能でした。しかし現在は、検体数が少ないと見込まれる場合や、交通の便がよくないなどで、検査を依頼しても断られるケースも増えています。検査価格も、円安や物価上昇の影響を受けて、上昇方向です。以前は保険点数の30%ほどの価格で検査を受けてもらえましたが、現在はほとんど差益が見込めないまでに追い込まれています。検査コストは増える方向ですが、保険点数は下がっており、かなり厳しい状況です。本当に日本の医療はどうなるのだろうかと懸念しています。患者数が多いクリニックでも整形外科、精神科など、検査検体が少ないところだと、大幅な値上げや、撤退してしまうなど、かなり困った状況になっているクリニックも多いようです。今後の市場経過によっては、ミニマム開業のスタイルが危ぶまれるくらいの状況です。血液検査も画像診断のように専門で請け負うクリニックにお願いする、新たなビジネスモデルが生まれてくるかもしれません。そうなるとオンライン診療はますますやりやすくなりますが、一方で実店舗型のクリニックは一層厳しくなると思います。