クリニックを開院すると、様々な広告のオファーが来ますが、その中に電柱広告があります。現代の広告はネット中心になりましたが、電柱広告は昔からある、古典的な広告です。今回は電柱広告について考えていきます。
電柱広告の費用は?
電柱広告の費用は、地域によって異なるようです。参考に私が営業を受けたときは、電柱一本の月額費用が3000円で、10本からの案内、初期費用は30万円ほどでした。契約は年単位での更新であったと思います。つまり最初に初期費用としては、契約費用、デザイン費用で30万円ほどかかり、月額費用としては、税込み最低33000円かかる計算になります。年額のランニングコストは、およそ40万円になります。
これをどう考えるかは、クリニックの規模や先生次第だと思います。私は正直、高いと思いました。そのため当院では電柱広告を行っておりません。
電柱広告を回収するために、どれだけ働くか?
電柱広告のためにどれだけ患者さんを診察しなければならないか、という観点で考えてみます。初診で薬を処方し、検査等はしない場合、一人あたりの単価は約3800円ほどです。月額費用が33000円の場合を考えると、税金等を考慮してざっくりとですが、月に10人の初診患者さんが必要になります。
月に20日営業する場合は、2日に1人初診患者さんを診察すれば、電柱広告の費用は賄えます。これなら悪くないと思われる先生もいらっしゃると思います。しかし、初診患者さんを1人増やすということは、開業してみると実感しますが、非常に大変なことです。しかもこれは毎月かかるものですから、先生が電柱広告を出している限り続く経費です。実際には初診の患者さんから、定期的に通ってくれる方もみえるので、単純には言えませんが、それでもかかり続ける経費であることには変わりありません。
※経費のためにどれだけの患者さんの診察が必要かという観点
電柱広告に限りませんが、クリニック運営には各種経費がかかります。その経費を賄うだけでもどれほどの患者さんを診察する必要があるか?という観点は、経営者としては必要であると思います。(参考記事→固定費はリアルタイムで把握)
電柱広告の効果はどれほどか?
電柱広告の効果については、私は広告を出したことがないので何も言えませんが、どうなんでしょうか?上記のコストを考えても、それ以上の集患効果があるのなら良いと思います。私が電柱広告を見て、行動変容を起こした記憶があまり無いので、どうなのかと思ってしまうだけでしょうか。もしかしたらサブリミナルに効いている可能性もありますが。
周囲の電柱広告の状況
周囲の電柱広告をみると、医科と歯科の広告だらけです。少なくないクリニックがこちらの手段で広告を行っていることになります。医療機関は広告に関して、他の業種より制限がある中で、電柱広告については特に問題になったという話は聞いたことがないので、限られた広告手段として、一つの選択肢にはなるのかもしれません。
他の企業ではどのようにコスト捻出しているのか?
年額に換算すると40万円近いコストを払うのは、医療機関でも大変だと私は思うのですが、そうでない個人企業でも結構広告が出ています。もしかしたら医療機関は、他の業種よりも高めに金額を設定して、ふっかけられているのかもしれませんが、、。
しかしいくらなんでも桁が違うとは考えにくく、ある程度の価格であると思います。このようなコストを捻出するのは、他の業種の個人事業主や個人企業ではより大変なのではないか、どのように捻出しているのかと?、などといらない心配をしてしまいます。開業して経営者になると、世の中が今までと別の観点で見えてくるようになり、不思議なものです。
ホームページなら月1000円で更新も自由
広告という観点では、電柱広告よりもホームページの方が安くて、編集もリアルタイムで自由に簡単にできるので、コストパフォーマンスが良いと感じます。ホームページは個人で作成すれば、サーバーとドメインの維持費用しかかからず、月に1000円ほどです。電柱広告はケースバイケースですが、ホームページはどのようなクリニックにもおすすめできると思います。(参考記事→ ホームページは自作する ホームページの作成、運用について )